テスト ワンツー

日曜深夜のテレビ朝日、なんだかすごいマニアックな音楽番組がある。関西弁のジャニーズの人と古田新太が司会を務め、毎回、音楽やコンサート制作の裏側というか、プロフェッショナルな部分に焦点を当て、観たい知りたい聴きたいコアな音楽ファンの好奇心を満たしてくれる。
例えば、どんなにパフュームの踊りがすごいかをダンスや映像の専門家を交えて解説したり、関西弁がなぜソウルフルな音楽に合うかを紐解くために、ウルフルズに、ざたまさしの「関白宣言」を関西弁で歌わせたりといった具合だ。
ひな壇というか、ゲストに単発で呼ばれたタレントが、これって本当に地上波?と疑問を呈するぐらいである。

昨晩、視聴者からの質問に回答しますという特集をやっていて、ステージ上スピーカーの音響調整のときに、なせ「ワン、ツー」「ワン、ツー」というのか、なるものがあった。
ぼくもイベントの仕事をやり始めたころ、ステージの音響調整をするスタッフが、設置されたそれぞれのマイクに向かってテスト・ワンツーワンツーというのが不思議で、速攻質問をした記憶がある。

すると、ワンの「ン」という無声音とツーの「ツ」という破擦音に合わせて、マイクのハウリングなどを調整するため、という明快な回答。昨晩の番組でも、同じ意味のことを解説していた。加えて、「本日は晴天なり」となぜいうのかについては、It's a fine day today.のイッツのツがほしくてこれを言うのだが、日本では単純に和訳されてしまったらしい。

そういえば以前、フランス語圏であるスイスのジュネーブでイベントの仕事をしたとき、現地の音響チームが日本やアメリカと同様にマイクの調整をしていた。なんとなく聞くともなく耳にしていたら、彼らは、「テスト、アン、ドゥ」と言っていたのだった。

原田という銘酒

山口県に、「原田」という銘酒がある。
日本酒において最高の語りべの一人と尊敬する、「赤星とくまがい」の赤星さんから、この酒はいいですよと勧められて以来、メニューや冷蔵庫に見つけたら必ず頼むようにしている。ただ、今だ見つけることが困難な一本だ。

先日とある五反田の居酒屋にいったときのこと。その店は例えば滋賀の「神開」など、レアな地酒を置いており、そこに「原田」も見つけて、オオッと内心快哉を叫んだ。

ぼくは外でほとんど生ビールを注文しない。もちろん大変おいしい店もある。でも、それと同数ぐらい掃除や洗浄を怠っている店も存在し、がっかりすることも多いからだ。
その店で、いつものように瓶ビールを頼んだら、なんと冷えが足りない。
冷えていないビールと下手な文章ほど嫌いなものはない。下手な文章も書いた人に愛情があれば読めるが、冷えてないビールは救いようがない。早く「原田」が飲みたい気分はますます拍車をかけるのである。

その店には二銘柄のビールがあったので、二本目は最初頼んだものとは別にしてみたが、同様に冷えが足りない。
しょうがないぞと、まだかなりビールが残っている状態で、原田ください!と店主に声をかけた。後で反省するに、それが誤解を生んだかもしれない。

ハイヨッと軽い返事が返ってきたので、ああ、これで冷えてないビールともおさらばだと思うものの、店主はせわしく動きつつも、原田を用意する、もしくはサーブするようスタッフに指示する気配がない。
耐えきれず、再び、原田ください、とコール。
ハイハイと店主も分かってる風・・・。

それでも、店主他、スタッフもいっこうに動かない様子。
おや、どうしたのだろう。何か、どこかに間違いか勘違いがあるのではないか。
そこでぼくは、すみません、日本酒の「原田」をくださいと、丁寧にそして大声で言った。

すると店主は、
なんだ原田ですか、サラダだと思って、サラダ作っちゃったよ。
原田ねえ、今売り切れです。との回答。

原田が飲めるという喜びから一気に奈落の底へ。
あ、じゃ、そのサラダ、いただきます、という気も起きず、
(というか、生ビール同様、野菜の質も疑問なので、外でサラダを注文することはほとんどないですが)
たまたま視野に入った、臥龍梅を。
まあ、おいしかったけどね。

ウォーキング落語

運動をほとんどしないので、食べたものがすべて身に着く体質である。
いかん、とにかく体を動かしてカロリーを燃やし、できるだけ燃費の悪い状態を作らなくてはならない。
そんな思いから、俗にいうウォーキングを始めている。
実は今年に入ってからのスタートで、途中ひどく体調を崩した一時期と地方出張時以外は、てくてくてくてくと歩いている。
目標は1日90分。1時間だと少ない気がするし2時間も時間を取れないという単純な理由で1時間半と決めた。
といっても、あまり深く考えずに歩き出す。最初はかなりしんどかったし足も痛かったけど、なんとなく慣れてきてリズミカルにもなっている。

さて、ウォーキングする際なにか「お供」になるものはないかなと考えた。
音楽を聴きながらも、カッコいいし単純でいいのだが、それではあまり芸がない。
ゆえ、落語をききながら歩く名案を思い付いた。我ながら、これはいいと自画自賛。
かくいうぼくは、高校時代(転校した関係で一年間だけ)落語研究会で、上方落語の「七度狐」「宿屋仇」を高座で披露した経験もある。

Googleで「桂枝雀」とか検索しつつ、「お、今日は高津の富」とか題目を選んで、ニンマリしながら歩き出す。これはいい。絶好調。ゲラゲラ笑いながら歩いているオッサンは、かなり道行く人にとって異質の存在(笑)だろう。でも、こんな楽しいウォーキングはない。いやいや快適だぞ。

そんな密かな楽しみを知ったぼくが、気候もよくなった4月後半、ええ気持ちやなあと夜風に当たりながら外苑西通り青山三丁目の交差点を過ぎたあたりで、突然音が止まった。
お、あれ? スマホの画面を見るも、画面は止まって、なんだかずーっとくるくると回っている。お、もしや、これが、月額一定のダウンロードデータ限度をオーバーするというヤツなのか・・・。

ウォーキングを途中で中断し画面をいろいろと触ってみるものの、極端にすべての動きが鈍くなっている。そう、落語の動画だけならいいんだけど、フェGoogle検索とか地図とか、その他のあらゆる画面がまったく動かないに等しい。おいおい、どーなってくれるんだ。相当なストレスがぼくに押し寄せた。

せっかく思いついたウォーキング落語。この悦楽はあっという間に終りを告げた。
詳しい友人にその話をすると、いったん大笑いした後、そりゃそーだよ、動画は一番データ食うもん。だって。
その友人は、仕事も含めてスマホでの頻繁な画像データやり取りをするので、そのためだけにスマホを二台持っているという。

やっと5月1日になった。
月ごとに更新されるので、ぼくのスマホは、再び快適に動き始めた。
さて、ウォーキング落語、どーしたもんかなあ。

ハワイの旅行ガイド、書きました

文春オンラインという、文芸春秋社が発信する総合的なウェブサイトに、ハワイの旅行ガイドを書きました。二回目のハワイとの位置づけで、ハワイでどこに行くかについてはサブのテーマとし、どう動くかという点に最大のスポットを当てて書いてみました。現地でレンタカーに乗らないという縛りです。

実はハワイに50回以上行ってるのですが、初回からレンタカーに乗っていて、オアフ島なら地図を使わずしてほぼ全島の主要な道路を熟知しているのですね。でも、レンタカーを使わないガイドを書きたくて、ここ数回はクルマを借りずに移動する、をテーマに現地でも動いてきました。すべて実体験です。
(なお、各記事のタイトルは編集部作成です)

第一回
2回目のハワイは「ハワイアン航空午前0時羽田発」に乗る

第二回
ハワイの移動手段、実は路線バスが正解!

第三回
時間を無駄にしない4泊6日の超具体的プランはこれ

第四回
ハワイのアウトレットは「ワイケレ」に行け。日本人向けサイズが豊富

初サイゼリヤ

つい先日、友人の放送作家さんの熱海の別宅で花火鑑賞の会が開かれた。
久しぶりに熱海に行って、とんぼ返りの夜。放送作家がぼくの大好きな無頼派(笑)ゆえ、楽しい時間だったが、その中で「サイゼリヤ」というイタリアン? ファミレスはすごい、という話になり、実は、一度ずいぶん昔に、東京ビッグサイト近くの店にランチで入ったような記憶があるかないか、ぐらいのレベルだったゆえ、ちょっくら偵察するか、ということになった。

メニューを見ると、頭がクラクラするぐらいの価格破壊である。
コンビニで総菜を買う(買ったことないけど 笑)ぐらいの価格。そこにちゃんとしたテーブル、椅子、水、サービスがつく。
人生で最後にファミレスに行ったのも、日本ではおそらく20年近く前かなという気もするので現在のファミレス事情を全くしらないけど、この価格で経営が成り立つなら、それはそれでスゴイ。

さらに驚いたのは、ワインである。
マグナムボトルが1000円。酒屋でも1000円で売られているマグナムを見たことがない。というか、わざわざマグナムボトルを用意して1000円で売る必要があるんかなあと、首を傾げた。自分以外、酒を飲んでいるテーブルはないし、ソフトドリンクも安価で飲み放題の様子。
聞くと、飲みきれなければどうぞお持ち帰りくださいと、ビニール袋まで用意してくれるのだ。

そーか、それならとマグナムをチョイス。
(普通サイズがいくらだったかも覚えておらず 汗)
もちろん日本で瓶詰めをしていると思うし、キャップもラベルも簡素なもの。でも、いわゆる典型的なシャパいイタリアワインとしてがぶ飲みできる。このマグナムが1000円なら表彰状ものだ。
そのまま全部飲んでもよかったが、ここは持ち帰るというプランを採用。現在拙宅では、もうちょっと、もう一口ぐらい飲みたいなあというときの非常用として重宝している。