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2018M-1クランプリ

2018年のM-1グランプリは、「霜降り明星」という過去最年少コンビの優勝で終了した。
今年も面白かった。力が入ったなあ。
ぼくはお笑いのファンだし、とりわけM-1グランプリは、初回から今回まで欠かさず見ていて優勝者をすべて言うことができるかな。M-1グランプリは、優勝者がほぼすべてテレビの第一線に残っているエビデンス的なすごさがある。M-1グランプリが休んでいる間にフジテレビが開催した爆笑なんとかというコンテストの優勝者では、「ハマカーン」や「ウーマンラッシュアワー」がすでに消えつつあることを鑑みれば分かりやすい。

M-1グランプリは、他のコンテストに比べ審査員が格段に優れている。コンテストである以上素人の投票は(盛り上がるかもしれないが)ほとんど意味がない。
M-1グランプリでは、審査員を選んでいるメンバーこそがお笑いの本質を熟知している人間なんだろうなと感じる。

コンテストの使命は、才能の発掘だ。
M-1グランプリは、過去14回開催しているが、その中で「サンドウイッチマン」を世に出しただけで存在価値は十分にある。予選の審査員をどなたがやっているのか知るすべもないが、なんとか敗者復活までに残れば、優れた審査員によって、その才能は見出されるのだ。

昨年と今年、巨人師匠、松本人志、上沼恵美子、中川家礼二は変わらずで、小朝、渡辺正行、博多大吉を、立川志らく、ナイツの塙、サンドの富澤に代えた。これはすごく面白いんだけど、代わったメンバーは全員、昨年の大会で「とろサーモン」に投票した(中川家礼二を除く)。

繰り返すが、コンテストは才能の発掘であり、技量を競い合うこととは違うのを大前提とすれは、昨年の審査員も、たとえば博多大吉など、漫才の技量に関しては現役でも最右翼だと思うが、誰もが感じるやさしい人。それは渡辺正行とて同様だ。技量を斟酌してやさしい投票してはならないのだ。

そして今年、彼らの評価を聞いているだけでも、M-1グランプリが発掘であることに使命を覚え、炎上覚悟で臨んでいることをひしひしと感じる。お笑いを愛し、お笑いの向上を心から願っている、そんな人たちだ。感動した。

そして、サンドウイッチマン以来といっても過言ではない、全国的には無名の新人「霜降り明星」が発掘された。



まんぷく

第99回連続テレビ小説、通称朝ドラ「まんぷく」、かなり面白い。
すでに次の100回記念で、広瀬すずを起用すると大々的に発表したNHKだが、
それに対抗するがごとくBK(NHK大阪放送局)の意地、なのか。

このドラマ、戦後の激動期を描く朝ドラでは定番の時代設定。しかし、視聴者が安心して、逆にハラハラドキドキして観ることができるのは、ゴールが見えているからだろう。
このドラマは、チキンラーメン、カップヌードルを世に出した安藤百福の奥様が主人公なのだ。しかも主演は何のご縁か、安藤サクラ。

安藤サクラは、奥田英二安藤和津のムスメ。ムスメなのに父親の奥田英二というよりは安藤和津に似ていて美形とは言い難いが、内田有紀、松下奈緒の2人の姉と比較され、劇中でも美人との扱いではないので元々のキャスティングもそうなのだろう。
けだし、名演である。キャラの立ち方も優れるが、時折見せる表情の折々に強い説得力がある。
さらに、安藤サクラ演じる福子の母親役、松坂慶子が好演だ。重要な舞台回しの役ドコロで、明治の母親キャラを見事にこなし、時に笑わせ、泣かせ、時間を稼ぎ。世界中のお母さんがああであれば、子供はみんなイイコに育つだろうと確信させられる。

ただ一つの問題点、それは大阪弁だ。
地方の方言でそだった方なら、ちらっと聞いただけでも、発音の正確性や、同じようでも隣の県や反対側の海沿いの言葉だったりと、細かいニュアンスの違いも気になってしまう。
BKの制作ゆえ、その点は意地でも完璧に近いものを仕上げてくるだろうし、例えば松坂慶子など、本物への到達率が95%といっても過言ではなく安心して観ることができる。主役の安藤サクラも90%程度の高い習得度であるが、松坂、安藤とも、大阪弁を完璧にせねば、との意識が働くせいか、どうしても芝居の精度がわずかながら落ちるような気がしてならない。

その点、レギュラーメンバーでヒヤヒヤせずにいられるのは、松下奈緒、桐谷健太、橋爪功といったところか。
特に松下奈緒がすばらしい。元々朝ドラでも主役級を張る女優でありながら、ヒロイン福子を支える姉の役に徹する熟練の仕事ぶり。役柄を邪魔するぐらいの美貌なのに、夫に仕え子供を育て、親や妹のことを常に心配する地味な昭和の女性を完璧にこなしている。大阪弁が自然なゆえか、早口だったり小声だったり、動きながらのセリフも淀みない。ゆえ、彼女のシーンのキャメラワークが一番自然だったりする。
こんなに優れた俳優だったかと、改めて瞠目させられた。

ところで、松下奈緒と要潤という極めて美形の男女が夫婦役ながら、その三人の子供の顔がなかなかファンキーであるのは、さすが大阪制作だなとニンマリしているところだ。

「まんぷく」は、まだまだこれからが佳境。安藤百福の人生をトレースするなら、挫折し収監されて一文無しになるなど、チキンラーメンに行きつくまで紆余曲折がある。ぜひご覧あれ。

お笑い番組

広告が出てしまった。
広告が出る前に(せめて一か月はあくことなく)書き続けたいと思いつつ、
3月4月はデッサンどころではない、原稿のボリュームが公私ともに多かった。

画家でもピアニストでも、本作やコンサートが続いているときにも、
やはりデッサンやソナタを弾くのだろうか。そりゃ、するよな。

ところで、
最近のマイブームは、「ブルゾンちえみ」って知ってる?
と、聞くこと(笑。皆さんご存知だろうか。
先日男4人でクルマで旅をしている車中、その質問をしたら、
2対2、二人が知らなかった。

否定する人も多いが、ぼくはテレビのお笑い番組が好きである。
大阪人というのは大きいし、仕事がエンタメに絡んでいることも理由の一つ。
特にM-1グランプリ(若手漫才師のコンクール)は、音楽・映画を含めたあらゆる国内で開催される賞レースでも、
もっとも秀逸だと密かに思っている。
なにより、中川家から始まって、ますだおかだ、アンタッチャブル、チュートリアル、フットボールアワー、ブラックマヨネーズ、サンドウイッチマン、ノンスタイル・・・。優勝者は今も一線で活躍している。
それだけ審査の精度が高いということだ。

恩田陸の「蜜蜂と遠雷」でもうまく描かれているように、コンクールにおいて重要なのは、
審査員である。M-1グランプリが、なによりコンクールとして優れているのは審査員。
この審査員を選んでいるスタッフに、ぼくは心から拍手を送りたい。

ちなみに昨年の審査員は、
松本人志、上沼恵美子、博多大吉、中川家礼二、オール巨人。
松本、上沼、巨人師匠あたりはすでに定着しているが、それに加えて博多大吉、礼二の二人を選んだ点には、お笑いファンとして敬服する。

M-1グランプリは、予選は各審査員の得点の合計で上位3組が残り、
決勝は、審査員がそれぞれよかったと思うコンビに投票する。ゆえ、レコード大賞とかと違い、審査結果の透明性もまた番組の魅力なのだ。
審査員5名が、決勝に残った3組のネタを改めて見てだれに投票するのか、というのも視聴者として見どころの一つ。
オール巨人、上沼恵美子は本命に投票(想像の範囲)、博多大吉、松本人志は、当初から本命には投票しないだろうと考えていたが、その通り彼らの職責を果たした(決勝で一票をいただけたという若手漫才師への貴重なプレゼントを贈った)。

さて、中川家礼二。彼は、どのコンビに投票するのだろうか。
予想に反して本命に投票し、最後の一言コメントで「どんなに人気者になっても漫才を忘れるなよ」といった。
礼二はこれを言うために本命に投票したんだろうな。

どわっーと涙があふれ出た。
お笑いで泣くなよ(自分。


サザンオールスターズという存在

ご縁があって、サザンオールスターズの東京ドームコンサートに行ってきた。
コンサート自体、思いっきり楽しめたけど、それ以上に、コンサートの予習として聴き込んだ、ツアーにも銘打たれている「葡萄」というニューアルバムが大変すばらしいものだった。

それは、桑田佳祐という人が放つ同時代性である。
誤解を恐れず言えば、「葡萄」というアルバムで歌われる内容は、
ほぼ「酔っ払う」「抱き合う」「平和を願う」の三点。
この三点が「2014年の50代後半のオトコ目線」という、限りなく狭い意識と視点で描かれているのだ。自分は桑田佳祐より少し若いが、それでもまさに、その狭い領域にストンと入る。それはもう、共感しまくりである。

ただ、それにもかかわらず会場は大半が女性。そして年齢もバラバラ。サザンファン歴20年ですぅといった、アラフォ―がコアのようにも見える。

ピンク映画 歌舞伎町とハシゴして とか、
この時代こそ「未来」と呼ぶのだろう 

みたいな表現が響く世代ではないと思う。
でもコンサートでは、彼女たちも情熱的に絶え間なくエールを送り続けている。
女性は50代後半のオトコと違い、音楽を点ではなく面や立体でとらえることができるのだろう。

話は変わるが、ぼくが生涯で初めて購入したCDは(LPではなく)、サザンオールスターズの「kamakura」である。1985年のことだ。
海を想起させる湘南バンドと位置付けられていた彼らが、当時のミュージックシーンを席巻していた電子楽器を駆使したファンクサウンドに挑戦した、という触れ込みで、自分が初めて鳴らすCDに選ぶにふさわしいと思ったからだ。

「葡萄」を何度も聴いているうち、そんなことを突然思い出し、拙宅に残っていないか探すももはや見つからない。Amazonで調べると2008年にリマスター盤が出ていることが分かり、瞬間「kamakura」を購入していた。
レコードに針を落とした瞬間のボッという音、そしてイントロが始まるまでにジリジリと鳴るノイズがなく突然始まるドラムに30年前嬉々としたことを思い出しながら。
そして、レッドツェッペリンやディープパープルのアルバムを改めてCDで買いなおしたときのような、そんな感覚で楽しんでいる。

愛情の程度まで デジタルのカウントで計られる
単調な画面には 呼びかけた表示が舞い踊る

そう、彼は1985年も、まさにその同時代を唄っていたのだった。

ポール・マッカートニーとかミック・ジャガーとか。桑田佳祐よりもはるかに年上の海外のアーチストが、今でも日本にやってきて、日本の市場で巨額の富を得ている。彼らのパワーには頭が下がるが、言うなれば「昔の名前で出ています」状態であり、イマを同時代の言葉で歌うというわけではない。

そんな意味で、世に登場して40年弱。デビューから昨年の「葡萄」まで、桑田佳祐は、サザンオールスターズは、常に時代と向き合い同時代を歌ってきた、世界にも類を見ないミュージシャンということになる。ある意味、日本の誇りであり日本の宝なのかもしれない。そして、10年後、20年後にまで期待を寄せることができる、唯一のアーチストでもある。

ザックの通訳

イタリアには何度か行ったとこがあるけど、イタリア語については全く理解できない。
せいぜい分かるのは、簡単な挨拶とメニュー程度である。
なので、これから書くことは、イタリア語がご専門の方にしてみれば、大きな間違いかもしれない。

それを前提にして、自分の肌で感じたこと。
ザッケローニ新監督のイタリア語通訳(矢野大輔さんというらしい)は、とてもすばらしい。今の新しい日本代表チームが、すばやく監督の意図するところをくみ取り、都度話し合いながらグングン成長していく過程を見ても、いかに通訳の伝える能力が高いかを想像することができる。

実は、ぼくもイタリア語やフランス語の通訳をお願いして、実際にヨーロッパで仕事をしたことが何度かある。その際、クライアント側が政府の要人にも対応するキャリア豊富な方にお願いしてくださったのだが、自分のチーム専用とはいかない様子だったので、現地に住む友人を介して、もうひとり当方持ちで通訳を雇った。

その時来てくれた男性とは今でも付き合いのあるいい出会いだった。ドレッドヘアーに大阪弁。敬語も完璧には使えない兄ちゃんで、聞けば漢字はあまり読めないという。「おいおい、そんなんで大丈夫か?」と当初は不安に思ったものの、実に通訳センスに優れ、上手にコミュニケーションが作れる、とても気持ちのいいヤツだった。

キャリアもあり自信のある通訳の方なればこそ、もしかしたら相手のいうことを一言一句すべて訳して伝えなければならないと考えるのかもしれない。でも、ぼくがなんらかのオーダーを出し、それを通訳して相手が即座に渋い顔をしたり首を横に振ったりすれば、それは言葉を介さなくてもNOの合図。真面目な(というか、自分が優れていると勘違いをしている)通訳の方は、それもわざわざ「今回の場合は受けられないです」みたいな訳を付ける。

そんなナンセンスな会話のキャッチボールは、時間もかかるしコミュニケーションもギクシャクする。まして、相手側は首を横に振っただけなのに、何らかの言葉で通訳されると、自分が伝えたい以上の情報が通訳から勝手に伝わっているのではないか、と、いぶかってしまう。

その点、ドレッドの兄ちゃんは、最初からほとんど必要最小限しか訳していないように感じた。言葉が足りているのかなあとは思ったものの、彼を通じで会話を進めれば進めるほど、ストレスを感じることなく言語の分からない者同士円滑なコミュニケーションの取れることが分かってきた。しかも、こちらが重要なことやぜひとも訴えたい内容は、その熱意を汲み取って熱く厚く語っていることも気づいた。

最終的には、クライアント側もそのキャリア十分の通訳を使わずに、ドレッドの兄ちゃんに来てくれ来てくれとオーダーし、後半は引っ張りダコだった。一緒に仕事をしたすべてのみんなが、兄ちゃんの通訳センスを実感したんだと思う。

さて、ザッケローニ監督の通訳、矢野さんのこと。
韓国戦に勝利し、監督のインタビューとなったシーン。

いつも、かったるいなあと思うのだが、インタビュアーは、自分がステキな言葉を用意してきたと誇示するかのようにダラダラと長い質問をする。と、矢野さんは、質問の後半にかぶせるように一言二言で監督に伝え、監督は、インタビュアーの日本語が終わると同時ぐらいに、しゃべりだした。
そして、続いてのダラダラと長い日本語の質問にも、ほとんど二言ぐらいで伝えるものの、監督からはたっぷりと答えを引き出している。矢野さんがいれば、冗長すぎる日本人のインタビュアーなんて不要じゃないのかなあとさえ思えるのだ。

さてさて、明日の夜。ゲームの成り行きが最大の注目ではあるが、またまた勝利監督インタビューで冴えわたる矢野さんの通訳も楽しみだ。