2010年12月10日の記事 (1/1)

本を出版しました

もうすでにご存知の方も多いかと思いますが、12月8日 ぼくの本が発売となりました。「東京百年レストラン~大人が幸せになれる店」というタイトルです。

多少仰々しいタイトルになりましたが、ぼくが常に変えないで訴え続けているスタンス、「一軒のレストランが、同じ場所で、どれだけ長い時間営業を続けることができるか」に、基づいて名づけてみました。

そして百年後も、「そのレストランが、その同じ場所で、変わらず営業を続けていればいいなあ」との想いを込めて紹介しています。

昨日は、さとなおさんから大変すばらしい書評をいただいたこともあり、アマゾン本の総合ランキングで100位以内に入ったと聞きました。もちろんさとなおさんの説得力のある文章に惹かれてポチッとクリックしていただけたんだと思います。でも、久しぶりに伊藤章良の書いたものをじっくり読んでみようか、とのお気持ちでご購入いただいた方も多数おられるかと存じます。

本当にありがとうございました。
本当にウレシイです。



さて、本来のグルメ本とは、一軒でも多くの店を、一軒一軒できる限りキャッチーに表現する、というのが鉄則で、あまたの本はそれに準じてきたと思う。ところが、今回ぼくが上梓した「東京百年レストラン」は、百年というタイトルを掲げながら、38店の紹介に絞り、予算や営業時間の表記もなく、地図も入れていない。

また、ぼくの本と同じ時期に書店に並んでいる「BEST of 東京いい店うまい店」が顕著だが、一軒のレストラン紹介に要する文字数は激減。また「ミシュランガイド」に代表されるように、文章表現の中身もチープになり、カタログ化・辞書化していく傾向の中、ぼくの本では、一軒の店の紹介に2500字~3000字を費やしている。おそらく、グルメ本史上、一店の紹介文が最も長い本の部類に入るのではないだろうか、とも予想する。

こんな、果たして結果(売上)に結びつくのだろうかと思い悩み不安になるような企画を了解し、本にしてくださった出版社を「梧桐書院(ごとうしょいん)」という。ぼくもビジネスマンだし、仕事である以上利益を出さなければならないビジネスマインドは持っている。この企画の実現に際しては、まず梧桐書院に最大の御礼を申し上げたい。ありがとうございました。

また、なおざりに刷ってしまうのではなく、超一流の編集者、装丁家とがっちりとタッグを組み、文章の精度を上げるために、二度の校閲を通していただいた。編集者は、ぼくのウェブ癖がついた文体を「本」にふさわしいように徹底的に赤を入れ、実は40軒紹介文を書いた中の2軒を、あえてこの本にふさわしくないとの理由で外す、との英断を下した。装丁家は、ぼくの原稿に目を通し、ぼくがアプローチの素晴らしさを説いているレストランの外観を表紙に選び、まさにぼくの文章を具現化するようにデザインしてくれた。
天現寺にあるフランス料理店「レヴェランス」オーナー亀山和也氏を本で紹介しているが、躊躇せずにぼくは「かめやまかずや」とルビを振ったところ、校閲から「かめやまかずなり」さんではありませんか。とご指摘を受けた。

書く作業、そして校正はそれなりにしんどかったけど、本を著すことの楽しさ、すばらしさ、そして尊さを知ることができた。

ウェブ上でぼくを知ってくださった方に、ぼくの「本」がどのように届くのか。少し不安ではあるけど、徹底的に「本」にこだわった「本」ができたと思う。