FC2ブログ

2018年11月の記事 (1/3)

まんぷく

第99回連続テレビ小説、通称朝ドラ「まんぷく」、かなり面白い。
すでに次の100回記念で、広瀬すずを起用すると大々的に発表したNHKだが、
それに対抗するがごとくBK(NHK大阪放送局)の意地、なのか。

このドラマ、戦後の激動期を描く朝ドラでは定番の時代設定。しかし、視聴者が安心して、逆にハラハラドキドキして観ることができるのは、ゴールが見えているからだろう。
このドラマは、チキンラーメン、カップヌードルを世に出した安藤百福の奥様が主人公なのだ。しかも主演は何のご縁か、安藤サクラ。

安藤サクラは、奥田英二安藤和津のムスメ。ムスメなのに父親の奥田英二というよりは安藤和津に似ていて美形とは言い難いが、内田有紀、松下奈緒の2人の姉と比較され、劇中でも美人との扱いではないので元々のキャスティングもそうなのだろう。
けだし、名演である。キャラの立ち方も優れるが、時折見せる表情の折々に強い説得力がある。
さらに、安藤サクラ演じる福子の母親役、松坂慶子が好演だ。重要な舞台回しの役ドコロで、明治の母親キャラを見事にこなし、時に笑わせ、泣かせ、時間を稼ぎ。世界中のお母さんがああであれば、子供はみんなイイコに育つだろうと確信させられる。

ただ一つの問題点、それは大阪弁だ。
地方の方言でそだった方なら、ちらっと聞いただけでも、発音の正確性や、同じようでも隣の県や反対側の海沿いの言葉だったりと、細かいニュアンスの違いも気になってしまう。
BKの制作ゆえ、その点は意地でも完璧に近いものを仕上げてくるだろうし、例えば松坂慶子など、本物への到達率が95%といっても過言ではなく安心して観ることができる。主役の安藤サクラも90%程度の高い習得度であるが、松坂、安藤とも、大阪弁を完璧にせねば、との意識が働くせいか、どうしても芝居の精度がわずかながら落ちるような気がしてならない。

その点、レギュラーメンバーでヒヤヒヤせずにいられるのは、松下奈緒、桐谷健太、橋爪功といったところか。
特に松下奈緒がすばらしい。元々朝ドラでも主役級を張る女優でありながら、ヒロイン福子を支える姉の役に徹する熟練の仕事ぶり。役柄を邪魔するぐらいの美貌なのに、夫に仕え子供を育て、親や妹のことを常に心配する地味な昭和の女性を完璧にこなしている。大阪弁が自然なゆえか、早口だったり小声だったり、動きながらのセリフも淀みない。ゆえ、彼女のシーンのキャメラワークが一番自然だったりする。
こんなに優れた俳優だったかと、改めて瞠目させられた。

ところで、松下奈緒と要潤という極めて美形の男女が夫婦役ながら、その三人の子供の顔がなかなかファンキーであるのは、さすが大阪制作だなとニンマリしているところだ。

「まんぷく」は、まだまだこれからが佳境。安藤百福の人生をトレースするなら、挫折し収監されて一文無しになるなど、チキンラーメンに行きつくまで紆余曲折がある。ぜひご覧あれ。