ドア地蔵

満員電車のドア横、戸袋と呼ばれる位置に背中を預けて、ドアと直角に立ち必死にスマホをいぢり続けている人のことをドア地蔵と呼ぶらしい。これはなかなか言いえて妙だ。
車内が満員の場合、乗り降りの際にはドア地蔵が一番邪魔なのだが、その場所をゲットしたことが特権のように、頑なに動こうとせずしがみついている。まさに地蔵とはこのこと。スマホに一心不乱な様子も、なんとなくお地蔵さんの雰囲気である。

ところで、最近大阪に何度か行って大阪でも満員電車を経験した。そこでふと気づいた。東京の満員電車では、すべてのドアに必ず2体ずつ、ドアが4枚なら合計16体のドア地蔵がいるのだが、大阪は必ずしもそうではない。
地蔵化しそうな人物も見受けるが定番とはなっておらず、それぞれの場所や立ち方で満員に堪えている。

なるほど、ドア地蔵は東京固有の現象かもなあ。
ドア地蔵を見ていると、ものすごく孤独感を感じる。
ああ、この人って、友達いないんだろうなあ、とか、
この姿、知人に見られたくないよな、とか。
きっと、選挙には行かないんだろう、とか。
ドアが開いても降りる客にスペースを空けようとせず、
頑なに世間に歯向かっている無駄な行為にも、東京らしさを見る。

そんな人って、早く故郷に帰った方が幸せになれると思うんだけど・・・。
きっとあなたの町には、ドア地蔵はいないよ。