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笑いの芸を採点するということ

ぼくは、「魚沼さんこしひかり」のころから松本人志のウオッチャーである(って、ちょっとマニアックだけど 笑)。
そんなぼくが感じる最近のまっちゃんは、頻繁に面白い、面白くないという言葉を口にする。

これは面白い。おまえ全然おもんないやんけ等、すべての判断基準を、きちんと松本の目線での面白いか面白くないかを、きっぱりとキッチリと即断し、それを口にする。先日も「一本グランプリ」を観ていたら、ミキの昴生に対し、面白くない面白くないと何度も言って、それがまた、大舞台にのまれた昴生への救いと愛情を感じさせた。

松本人志は、あえてお笑いの芸を審査員として採点することに踏み込んだ人である。M1グランプリをはじめ、キングオブコントは元々MCだったのに審査の側に移った。前述の一本グランプリでもチェアマンを務める。
たけしやさんまにも、おそらく頻繁にお笑いクランプりの審査員へのオファーはあったと聞くが、彼らは芸に優劣をつけることはできないとして引き受けなかったと聞いた。

松本人志が、最近特に面白い面白くないを言うのは、加えて、面白いか面白くないかをトークの遡上に上げるのは、何が面白のかが分りにくくなっているからではないかなと感じる。最近のテレビでは、本物かニセモノか、必ず笑い声が入るし、客を集めての収録でも、何が面白いのか分からないまま、つられて笑っているような場面も多い(というかそんな場面ばかり)気がする。

面白さの本質とは何か、みんな笑っているけど、本当に面白いのか。松本人志は、それをクリアにし際立たせたいがために、面白い面白くないと言い続け、芸人の最高舞台であるグランプリの審査に取り組んで、彼自身が考える「面白い」に採点という形で視聴者に分らせようとしているのではないだろうか。

それを自分に当てはめると、美味しいかおいしくないか、である。それは笑い以上に千差万別で個人差も大きく、さらに定義するのが難しい。ただ、それを誰かが改めてきっちり手掛けていかないと、ますますおいしさの本質がプレて、せっかくの食材そのものの味や卓越した料理人の技術が、どんどん埋もれてしまう。いや、それを分かる人がいないと、作る側のモチベーションも下がるばかりである。

たけしやさんまとは全く比較するに至らないけど、ぼく個人も料理店に対する採点を控えてきた。
採点を主眼とした仕事のオファーも、僭越ながらお断りをしている。
ただ、松本人志の真摯な動きを見ていると、自分も「おいしさの採点」に踏み込むべきなのかなあと、ふと思うようになった。