タイムフライズ@シアター1010

北千住の「シアター1010」でミュージカルを観た。
「タイムフライズ」というタイトル。ぼくの仕事仲間が少しかかわっており観に来てくださいとの招待をいただいたので、比較的時間の取れる週末に出かけた。北千住へ平日の夕方から劇場に足を運ぶのはけっこうタイトだからね。

北千住といえば何度も訪れたことはあるが、「大はし」「徳多和良」「酒屋の酒場」等、全て居酒屋めぐりがその目的。劇場?との若干の違和感は感じるものの、入ってみると、とてもすばらしい空間で驚く。
(音はイマイチだったが、それはPA会社の責任によるところも大きいような気がする)

で、そのお芝居。
簡単にストーリー説明を試みると、イマの世界で芳しくない就活に悩む男子大学生の2人が、消防署の施設で体験中にタイムスリップ(その辺のリアリティや説得性は全くない)。70年安保闘争を繰り広げる全共闘時代に戻り、昭和の大学生活、おもに学生運動を体験。磨かれて現在に戻り逞しく生きる、という感じ。

なんというか、うまく表現できないんだけど、脚本も演出も、そしてキャストや大道具、照明も、すべてがいい意味で既視感のある芝居だった。誤解を恐れず具体的に言うと、20数年前に観た初期の「キャラメルボックス」とでも形容しようか。芝居を観ることに強く傾倒し、頻繁に本多劇場に通っていた20年ぐらい前の自分に、それこそタイムスリップして、体の芯が少し熱くなった。

自分たちは、芝居を歌をやりたいんだ、というギラギラした役者達の意欲。イマでは考えにくい稚拙なセットや小道具と一本調子の照明、音響の悪さやミスの多さ。これがネラいで作ったならスゴいことだけど。

いっぽう、全共闘世代ではないイマの人たちが制作する全共闘はかなりヘン。
ぼくは全共闘世代よりは随分と若いけど、比較的学生運動の盛んな大学に通ったので、まだまだキャンパスにはカッコ悪い残党がうようよといた。

随所に出てくるアジ演説も、学生運動用語も、タテ看板も、わざとに模したであろう服装も髪型も、リアリティなかったなあ・・・。つまり舞台全体からあふれるあの当時らしい情熱や古くささには真実味や説得力があふれるのに、時代考証はチグハグ。

一番アレッと思ったのは、タイムスリップした時代は1968年で70年安保前の必要性があるんだけど、劇中で突然上條恒彦の「出発の歌」が歌われるのね。でも、「出発の歌」がリリースされたのは1971年。

まあ、場面的にはこの歌がめちゃハマリゆえ、違和感はないんだけど。

ところで、劇中で「出発の歌」を歌った役者を検索してみたら、なんと上條恒という人だった。もしや息子さんかな。