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赤い口紅とタバコのけむり

卒業式シーズンである。
昨日もある有名ホテルに仕事で打合せに行ったら、謝恩会と称される不思議なパーティに参加する女性を頻繁に見かけた。

皆さん卒業式後であろうか、多くは袴姿。ではあるが、その上に茶髪・ギャルメイクがのっかっている。ぼく自身は決して古いわけではない、と確信する上であの美意識は日本人女性としてなんとかならないものか。というか、袴姿にあんな髪を結いメイクをする美容室こそ、もっと若い世代に格式を教える先導者になってほしいなあ。

ところで。
ぼくは以前、ホテルの宴会場でウエイターとして働いていたことがある。今でもたぶんあると思う配膳人紹介所から派遣されて、各ホテルの宴会場でパーティや婚礼の際のサービスをするのだ。


当時破格に時給のいい仕事で、しかもサービスの技術力によってそのギャラも変わるというモチベーション的にも高いものだった。宴会場へ派遣されるサービススタッフは原則サーバーが使える(フォークとスプーンを片手で持って、大皿から各個人の取り皿へ配り分ける能力)ことがマストで、しかも、そのサーバーテクニックは、大阪でジャパニーズ・ヤンキーと俗称される二種類があり(おそらく大阪だけだと思うし、その品のない表現が大阪らしい)、ジャパニーズが使える人の時給が一番高いこともあって、ぼくは家で随分練習をしたものだ。

ヤンキーは、今でもレストランでサービススタッフがパン等を取り分ける時に使う、中指と薬指と小指の間にスプーンを挟み、親指と人差し指でフォークを裏返しに持って、フォークとスプーンで物をつかむ手法。一方ジャパニーズは文字通り箸使いの要領でスプーンとフォークをタテに持って食材をつかむ方法。ヤンキーの場合、サーバーを手に持つ際に瞬間的に両手を使わざるを得ないので、すべて片手で完結するジャパニーズの方がギャラが高かったというわけだ。

さて、謝恩会シーズンの話である。
毎年今の時期になると、有名ホテルの宴会場は謝恩会の真っ盛り。世の中にこんなに沢山若い女性がいたのかとクラクラするぐらい連日若い女性のカタマリでむせ返る。そんなだから、いつもと違って作業的な説明のみのミーティングではなく、上の人が訪れて「鼻の下を伸ばしてサービスをしないように。キリリとホテルマンらしく」といった訓示が毎回あった。

とある有名女子大謝恩会の日。同じように上の人の訓示を聞き終わって作業に取りかかる。通常大きなホテルでは、パーティ会場の横に小さなスペースを設けそこをアペリティフを楽しむ場として提供し、会場オープンまでの待合室となる。たいていの場合、待合から本会場に人が流れると、待合をクローズしてその後使用されないよう電気を暗くし、本会場での進行が一段落したあとに、手のあいたスタッフが片付けるという流れになっている。

たまたまぼくがその担当だったので、本会場が落ち着いた後、片付けに向かった。ガタンとドアを開けて薄暗い待合室に入った瞬間の衝撃は、すでに20年以上経過した今でもほぼ鮮明に覚えている。

部屋の中は当然暗いにもかかわらず薄白くぼやけ、そして強烈な臭気。そこらじゅうに怪しく光り漂う真っ赤な口紅とそこから吐き出されるタバコのけむりけむりけむり・・・。

今でこそホテルでタバコが吸えなくなってしまったが、当時は会場に灰皿がふんだんに付けてあるし、当然彼女達は未成年ではない。ま、女性が堂々と人前でタバコをくわえることができなかった時代、といえばそれまでだけど、まるでアヘン窟にたむろするコールガールとでも形容すべき(見たことはないですが)その場の状況は、そんな彼女達とほとんど年齢差のなかったぽくにとって衝撃以外のナニモノでもなかったわけです。
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