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食堂 長野屋

一昨日の昼間、来週のイベントで使う音素材を探しに、新宿のタワーレコードに出向いた。

音を探すのは、中身が確認できないこともあって本を探すより以上に骨の折れる仕事で、ぼくは必ずといっていいほど毎度新宿のタワーレコードにしか行かない。
その理由として、まずタワーレコードのスタッフがとってもすばらしい。彼ら彼女らの髪の色や化粧や服装では、自分の方から仕事は選べない個性派なわけだけど、すべてのスタッフがハキハキ・テキパキとして愛想がよく、音楽に対する知識やモチベーションも高い。

そしてCDショップは本以上に店ごとのレイアウトやミュージシャンのカテゴリが微妙に違うので、できるだけ記憶の残像にある店で効率よく探したいと考える。
我が家のターンテーブルに頻繁に載っかるミュージシャンとして、アコギ(アコースティクギター)の名プレーヤー達、例えば「山弦」「中川イサト」「押尾コータロー」の三者。ぼくの中では全て同じカテゴリなんだけど、CDショップに行くと、ジャズ、J-pop、ニューエイジと分かれていて、それぞれに行き着くまで苦労した記憶がある。

新宿には昼過ぎに着いたので、satono.comの「さなメモ」にも登場する妙齢の女医さんに教えてもらったトンカツの店を目指した。この妙齢女医さん、フランスにも留学の経験があり、ぼくを含め食べ歩きの猛者がすっかり恐れをなすほど料理や料理店に詳しい上、なぜかB級グルメネタも多くお持ちなのだ(いつ行っておられるのか、想像がつかない!)。

なことで、そのトンカツ屋の前まで来たら、火曜日と水曜日が休みとの張り紙。新宿のド真ん中で平日に2日休むとはすごいなあ・・・と、再訪を誓いつつも昼メシ難民となってしまった。

そこで、ずっと以前から謎の店で、一度入ってみようと思いつつかなわないでいる「食堂 長野屋」を思い出した。ここは、JR新宿駅南口をタワーレコードのあるビル側に出て、目の前の階段を下った正面右側、信じられないほど好立地にある一膳飯屋。なんと大正時代から同じ場所にあるらしい。

その歴史たるやすごいんだけど、時代に取り残された場末感漂う店で、風格はない。しかも定食類は軒並み1000円と、男一人の昼飯にしては高額なのだ。回りには格安の立ち食い系やチェーン居酒屋が営むランチサービスも豊富にあるわけで、今までこの価格でやってこられたことはすばらしいが、そんな意味でも謎は深まるばかり(夜の状況が分からないので、夜は手ごろな一杯飲み屋となっているのかもしれないけど)。リース物件ではなく持ち家なので、客が入らなくてもやっていけるのかなあとか、いろいろと考えつつも、ついに突入した。

店内はテーブルが7~8卓ほど。2階もあるようだ。十数年やってます、てな感じのオバサンがサービスを、数十年銭勘定で生きてきました、みたいなおばあさんが食券を売る。12時過ぎというコアな時間なのに、客は各テーブルにオッサンが一人ずつ。まるで昼時の活気はなく手持ち無沙汰そうにテレビを見ている。テーブルが一卓だけ空いていて、「あ、相席させられずにスンだよ」と安心しながら座る。

そして唐揚げ定食を注文し、やっと落ち着いて回りのオッサンを見てみると・・・。

なるほど、分かりました。ほとんどのオッサンが背広にネクタイ、そしてほとんど全てビールを飲んでいる。中にはお銚子が転がっているテーブルもある。
つまりこの店は、悪びれずに昼から酒を飲むことが、暗黙に許されているのだ。場外馬券売り場の近くというのも一つのきっかけかもしれない。でも、平日はあまり関係ないし、そもそも馬券を買いに来ているでも夜勤明けでもない、ふつーのサラリーマン。

定食はちょっと高いし古くて入りにくいこの定食屋なら、まさか同僚や上司に会うこともないだろう。昼から酒を飲みたくなるのはアル中の始まりではあるけど、そんなオッサンたちの秘密のスポット。こんなにJR新宿駅とは目と鼻の先にあるのに、盲点を突いたというか、いわゆる隠れ家なのだ。なんとなくつられて、ぼくも「ビール」と頼みそうになる。

ところで。
こんな感じで酒のアテとなっている定食ゆえ、もっともっと味の濃い唐揚げを想像していたが、意外にも薄味でジューシーな本格派。ぼく自身の酒を飲みたいという欲求は引っ込んでしまった。
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