ひとつだけ

数日前さとなおさんが、「さなメモ」にて矢野顕子のコンサートについて書いておられた。その中で、彼も絶賛していた矢野顕子の代表曲に「ひとつだけ」がある。

長いこと彼女のコンサート等には行っていないが、ぼくも矢野顕子のファンで、上記の「ひとつだけ」も収められる1980年にリリースしたアルバム「ごはんができたよ」は、生涯で一番愛聴しているかもしれない(もちろん発売当時はLPだったが)。

アルバム「ごはんができたよ」は、当時蜜月状態だった坂本龍一ら、YMOのメンバーが全面バックアップしていて、矢野顕子自身が「YMO以降、テクニックと音楽性の双方にすぐれたバンドは日本では生まれていない」と語るように、30年経った今聴いても、現代のJPOPには真似のできない完成度ではある。

「ひとつだけ」は、もちろん愛の歌で、世界にいろいろと素敵なものはあるけど、ほしいものは、あなたの心の白い扉を開く鍵だけ、と歌う。当時ぼくは、これは坂本龍一のことを歌っているんだろうなあと、憧憬の念のみだったけど、別の人生を歩まれてもなお代表曲には変わりなく、歌い続けるというのも、アーチストのつらさか。

ところで、ずっと以前に矢野顕子のコンサートに出かけたときのこと。確か小さなライブハウスのようなところ(ピアノ一台での出前コンサートってやつね)で、最前列に座るお行儀の悪い男子が、パチパチと矢野顕子の写真を写した。その際に矢野顕子が彼に直接放った言葉が強く印象に残った。

「本当に大切なものなら、写真ではなくあなたの心の記憶の中に写してほしいなあ・・・。でも、それができないなら、写生しなさい!」

ま、長々と前フリをしたわりに、ただコレを言いたかったんだけど(笑。