スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

食随筆家

昨年末週刊文春から、「この一年、忘れられない一皿」という特集記事についての依頼があった。昨年オープンした店とそれも含めたトータルとで、それぞれ3軒程度ずつ、飲食店と一皿を挙げてほしいとのこと。計6軒を送った。幸いにも、海外の一軒を除いて全て掲載をいただいたが、その際編集部の方から、「伊藤さんの肩書きはどのようにしましょうか」との問い合わせがあった。ご丁寧に、食ライター、フードジャーナリストなど・・・と、例もあげてくださった。

ぼくの肩書きは、基本的にはイベントプロデューサーである。が、名前は伊藤章良じゃないし、食のイベントを手掛けているわけではないので、何の説得力も持たず、この特集上では意味不明。

いっぽう、一般的に理解されているかどうかは分からなものの、出版の世界では、ライターという職業は、その役割や業界内での立ち位置が確立されていて、別の本業を持ちながら自分自身をライターと名乗るのは、ライターを生業とされている方に失礼だと考えている。また、何度かライターとしての仕事を頼まれ、断りきれずに引き受けたけど、編集長と悉く意見が合わず(声をかけてくださった編集者にも申し訳なく)、こと食に関しては、自分が他人の意向に合わせて文章を作ることに不向きだというのがよく分かった。
しかもライターという表現は、和製英語ゆえ外国人に理解してもらいにくいことも気がかりだ。

ではジャーナリストか、というと、ほとんど取材をせず思ったことを勝手に文章にしているだけなので、恥ずかしくてジャーナリストとは名乗れない。と、このように書くと語弊があるけど、ぼくは単なる食べ手としての立場でレストランや食全体を眺めての想いを書きたい一方通行者。(もちろん分かってしまう場合も多いが)キッチンの舞台裏やバックでの人間相関図などにはあまり興味がないのだ。

さて、困ったなあ・・・。
そこで、文章を書く立場の方の肩書きを調べてみた。文筆業とか記述家とか様々に見つかったが、いずれもピンと来ず、やはり随筆家かなあ、と思うに至った。ただ、やみくもに随筆が書けるわけでも、バックボーンも浅いので、より具体的に(というかフィールドを明確にするべく)食という言葉を頭につけて「食随筆家」としてみた。いまさらカタカナ職業をカッコイイと思う年齢ではなく、漢字の重みに少しだけ安堵した。

あまり深く考える時間も余裕もなく送ってしまったが、フードジャーナリストみたいな長いタイトルではなかったゆえか、限られた文字数のスペースには最適だったのか、たくさん推薦店を掲載していただくことができた。

ちなみに、他で食随筆家を名乗っている方がおられるかなと検索すると、浪速割烹「喜川」の創始者であり、現在はご子息に代を譲られている上野修三氏のみヒットした。

直接お話をさせていただいたことは未だないけど、大阪にスピリットを置く自分にとって和食の心の師匠であり、最も尊敬する料理人の一人でもある上野修三氏の胸を借りようと密かに誓った。

ということで、2012年より、食随筆家 伊藤章良をよろしくお願いします。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。