ドトール、意外と好きです。

ドトールは、今や誰もが知るコーヒーショップ。優れた経営と、コーヒーだけではなくサンドイッチやホットドッグまで外さない味を誇る貴重なチェーンだと思う。
アメリカへ頻繁に出かけていたのと同じ時期、スターバックスが全米各地に出来始めたことがあった。すでに定着していた日本のドトールを知るぼくは、スタバはこれを規範にしたんだなあと、実は思っていた。

そんな当時から今でも、ドトールというコーヒーショップは気がかりである。
特にここ数年、ホットコーヒーをたしなむ秋冬のシーズンには、ドトールで豆を買い、それを淹れて自分のデスクで楽しむのが日課となっている。

さらに毎回楽しみなのが、ドトールの月替わり(たぶん)の特選コーヒー豆シリーズだ。価格は張るものの、企画の楽しさ、バリエーションの豊富さに惹かれ、あまり意識せずに買ってしまう。もしかしたらかなりの贅沢なのかもしれない。

いつもの通り道、いつものドトールに立ち寄って豆を買うのもすでに4~5年目のシーズンだろうか。そこのドトールスタッフについては、買うたびに違うような気がしてあまり気に留めていなかったが、お店のスタッフにはなんとなく覚えていただいているような気が、最近時々する。

ふらっと豆を物色に立ち寄ると、自分からは何も言わないのに、今、毎月のシリーズは品切れなんです、明日新しいものが入ってきます。とか、ぼくがその中でも欠かさず大量購入する、プレミアムマイルドブレンドは、○日販売スタートですよと教えられたり・・・。
妙に恥ずかしい。

さて、いつものドトールではすでに発売を終了してしまったインドのケララ州の豆が、過去最高ぐらいにステキな香りと味わいを誇り、とても気に入った。もうプレミアムマイルドが売り出されいるが、最近はいつもの通り道から浮気して、ドトールを見つけるたびに、インドケララ州の黄色い袋に入った豆が残っていないかチェックしている。

大相撲に思う。

相撲の業界、角界っていうのかな、大変なことになっている。
国会より、北朝鮮情勢やエジプトのテロより、一横綱の暴行事件が毎日トップニュース。つくづく日本は平和だと思う。

ところで。
相撲は国技で神事とか言われ、それが大前提ゆえ今の大騒ぎが生じる。
でもぼくは、大相撲って興行と位置づけるべきではないかと思うんです。
プロレスやプロボクシング、各種格闘技同様。
チャンピオンになれば、当然その上はなくて横綱と同じ条件。格闘家の暴力は凶器と見なされ処分も罪も大変に重い。普通の人より何倍も力があってさらに何倍も鍛えている人間が暴力をふるったら即刻罰せられ、資格が取り上げられて当然。何か意味が分からず揉めている国技より、興行の世界の方がよほど潔い。

外国人力士は、稼ぐために日本に来ているのだ。そんな面々に品格とか神事とか騒いでも、何言ってんだと心の中では思ってるに違いない。
実際、英語では力士のことをレスラーと言い、横綱はもちろんチャンピオンである。国技・神事と真剣に議論する日本人の姿は海外から見るとまさにガラパゴスなのかなと。

それよりも、いつもマイクを向けられて驚くのが、外国人力士の日本語力。2000年に来日して17年、「膿を出して」などと使えるものかなあと感心する。そこを解析すれば、新しい語学教育のヒントが見つかるかもしれない。

丸大ホール

少し低調な気持ちで川崎にいた。
夜の7時半である。自宅近辺まで、この空腹と疲れを持ち越したくないので、川崎でメシ&酒と決める。決めるといっても選択肢はほぼ一つ。「丸大ホール」である。

この店、本当にすばらしい。京浜工業地帯という、むかし地理の時間に習った死語のような言葉がリアルに蘇る店舗。朝から晩まで、あらゆる時間帯で仕事をしているブルーカラーを対象に、空腹とストレスから解放してきたオアシス。
刺身、煮込み、フライ、鍋等々の酒場としてのメニューから、オムライス、チャーハン、ラーメン、うどん蕎麦みたいな純粋なメシまで、店内の壁中にメニューが貼られ、その姿は圧巻。
6名掛けテーブルしかないので相席が基本。最近はめっきりホワイトカラーも増えたが、にしても、酒場本来の喧騒とタバコの煙(苦手ではあるが)、気のいいおばちゃんの接客は、ゆるぎない特徴だ。

その日は斜め前に寡黙な男前(もちろんホワイトカラー)が一人。タバコをくゆらせながらスマホを操作していた。酒をあおるという気配はないが、肉野菜炒めに続いてオムライスを注文。「丸大ホール」においては、かなりの手練れと見た。

そこへ陽気な二人組がなだれ込んできた。一人は関西弁である。
早速眼前の男前に関西弁の方が話しかける。
「いやー、さっきも来たんやけど満席や、ゆうんで、他でちょっと飲んでて、でもこっちに来たかったんで、もっぺん来てみたんですわ」とファンぶりをアピール。男前は常連ぽく落ち着き静かな対応ながら、丸大ホール愛については自分が大先輩との自負もありありで、かなりのピッチで語り出す。

やがて関西弁が僕の方へと飛び火してくる。
「作家とか、そんな感じですよね」
「あ、いや」
「あー、やっぱりや。そうやと思たわ」

大いに盛り上がるまで、時間はかからなかった。
それこそ瞬間湯沸し器のように、みたいな使い古された言葉を用いたくなる、古風なまでの展開である。

酒場では、プライベートな詮索は厳禁とされる。
若いころ、酒場で隣り合った先輩と盛り上がり、氏素性を尋ねて叱咤された経験が何度もある。縁があれば、またこの店で会いましょうと優しく諭された思い出もある。本来なら、そんな一期一会の世界観が酒場なのだと解釈していた。

ところがこの日は違った。そのうちの一人が、ぼくの出ている番組を観てくださっていたことも要因の一つかもしれない。ブルーカラーのための酒場にホワイトカラーも集うようになったと冒頭に書いたが、お互いの氏素性を語らうと、ホワイトもホワイト、寡黙な男前は、世界を席巻する通販会社、そして陽気な二人組は、世界の味を塗り替えた調味料メーカーだった。

「丸大ホール」が閉店となると、誰からともなく二軒目に行きましょうとの声がかかり、その夜は、さらに深く、川崎の奥へと踏み込んで行ったのだった。

母の話、である。
大阪梅田のヨドバシカメラに叔母と洗濯機を買いに行ったらしい。
その辺の事情は忘れてしまったが、洗濯機の発送の段取りとかで待っている時間に、ソフトバンク系列の会社からプロバイダー契約の勧誘を受けたそうだ。

ものすごく丁寧で分かりやすい説明に感動し、しかも今入っているソネットの契約内容を調べ、不必要な項目の契約解除やその他さまざまに手を尽くしてくれた結果、ソネットからソフトバンクへの乗り換え決めたという。

実は母は、ぼくたちの感覚では考えられないぐらい何度もプロバイターを替えている。そのたびにメールアドレスがかわるので、母のメアドで、今生きているのがどれなのかよく分からず、昨今はショートメールしか送っていなかった。

おまけに母は、長期入院をしている間に自分の契約している(生きている)メアドがどれか分からなくなったらしく(笑、ぼくに調べてくれというので、パスワードは分かるのかと聞くと、あれこれと言うものの、いずれのパスワードも反応せず違います、と表記される結果になる。なので、もう一度新たにメアドを作り直したいとの希望もあって、ソフトバングと契約したんだとか、変な理屈まで加わった。

うちの実家は、自分たちが帰ったときも普通にネットにつながるよう無線LAN環境にしている。母はソフトバンクから送られてきたルーターに何の疑問もなく付け替え、急にインターネットがつながらなくなったと電話があった。
それは当たり前でしょ、というのも87歳の母にはかわいそうなので、新しい波を探してそちらに接続しなおしパスワードを入れるように指示した。でも、その新しい繋ぎ先が分からない分からないと連絡がくる。

まあ、それを見つけるのはかなり難しいとか思っていたら、母の面倒を見てくださっていいるヘルパーさんが見つけてくれたと連絡があった。ではパスワードを入れたらそれで繋がるでしょと説明しても、あかんあかんとの一点張。

さて、大阪に出張の機会があり、自宅に泊まった際母のネット環境を整えようと、まずは自分のMacで試した。するとすんなり変更できて繋がった。あれ、どういうこと?と母に問うたら、ほんなら電話したみるわと、しかるべきソフトバンクの相談センターに電話してぼくにかわるように言う。
あれこれと自分は繋がったなどと説明しつつ、母のPCは繋がらないのですと聞くと、それはもうパソコンが壊れているとしかこちらからは言えませんとキッパリ。
ええぇ、買ったばっかりやで、なんでやのん。と母は意気消沈。

母に、もう一度はパスワードを入れてみなよというと、もう覚えるぐらい入れたわと入力している手元をみたら、なんとテンキーにNum Lockがかかってただけだった。
それを解除して入れなおすと普通につながる・・・。脱力。ソフトバンクのお客様担当さんごめんなさい。

翌朝、今度はメールアドレスの設定をすることになった。
こちらの方が、実は先にやってほしかったぐらいやで、と母はいうが、ネットにつながらなかったらメアドの設定はできないよと心で思いつつ、向こうから送ってきた書類を見せてと頼む。いろいろと出してきたものの、メアド設定に必要なパスワード等が書かれた情報がどこにもない。

お母さん、これで全部? 母は必死で書類の束を手繰りつつも、それだけやで、と。どれを見ても、インターネットのスタート日時とか料金体系とか、そんな内容ばかり。

ほな、また電話してみるわ、あんたかわってやと電話をし、担当者が出たのでその旨を訪ねた。すると・・・。

はい、メールアドレスの設定についてはお申込みをされておりません、だと。
それには月々500円よけいにかかります、という。果たして乗り換えた方が安かったのかどうか・・・。
そりゃ、いくら探しても見つからないよなあ。

そして母の新しいメアドは、次回に持ち越された。



ラジオに出演しました。

テレビのロケを一年間やって身に着いた、というか必然的にそうせざるを得なかった結果の特技、というほどでもないけど、テクニックが、ぼくに加わった。
収録中にいろいろと今の話をしながら、頭の中では次に何を話すか考える、という技だ。

閑話休題、あるドラマーから聞いたネタ。
彼はずっと、ミュージックフェアーという土曜の夕方に塩野義が提供している長寿番組でドラムを担当していた。あの番組は30分だけど、収録は何本にもわたって行うそうで、その間出演するアーチストは、ロックもあればフォークも、そして演歌までと幅広い。
次々と曲調が変化する中で、一番大変なのはリズムをつかさどるドラムである。そんな要のドラムが、ついさっきまでドカドカとロックの音に合わせてたたいていて、次は演歌のスローなナンバーとなっても、どうしてもロックのときのリズムに引きずられタイミングが早くなってしまうというのだ。
そこで、その優秀なドラマーは、現在収録中の曲をたたきながら、ヘッドホンではずっと次に演奏する曲を聞く、という荒業で、リズムやテンポが前の曲につられることをしのいできた、というのである。
本当に、スゴイプロフェッショナルな話だなあと感動した。
そして、なるほど、とも思った。

そこで冒頭のテーマに戻るわけだが、そのドラマーの仕事ぶりを参考にし自分も、テレビの収録中には、リアルタイムにいろいろと話している最中に、次に何を話すのか頭の中で考えるという技を体得した。
普段そんな習慣がないので気づかないけど、やってみると意外とできるもの。
具体的に言えば、今、かつ丼の歴史について話している、その話をしながら、次にかつ丼の味についてあれこれこういう風に話そうと頭の中では考える、という感じ。

ところで先日、コミュニティFM局のラジオ番組に呼んでいただき収録をした。全部で三本録ったのだけど、そのうち二本は日本語、そしてもう一本は全編英語のみの放送だ。相手は同じでバイリンガルのDJ。彼が持っている日本語の番組と英語の番組にゲストで呼ばれた体である。

日本語の収録は、前に説明したように、今しゃべりながら次に何をしゃべるか考える手法で、かなりスムーズにこなすことができた。ところが問題なのは英語。今しゃべりながら次に何を話すか考えるのは同じ。
でもね。それを自分の貧困な英語力できちんと説明できるかまで見極めなければならない。
大変だ、時間が足りない。

食の話とか一通りして、音楽も好き、みたいな展開になって、好きなジャズミュージシャンは誰ですか、との質問が突然来た。なんでジャズ限定なんだ、そして次はおそらく、そのアーチストのどこがファンなの、と来るに違いないと予想。とすれば、単純に名前だけではなくそのアーチストの魅力も英語で伝えなければならない。

個人的にはジョン・コルトレーンが好きなのだけと、安易に答えて魅力も英語で語れるのか。あ、コルトレーンって、英語ではコールトレンと発音するんだったかな、うしゃー、こりゃだめだ。で、次に、あまり考えず、口からついて出たのがビル・エヴァンス。案の定、魅力はと聞かれ、白人らしい厳格さ、正確さみたいなことを言ったか。
およそジャズミュージシャンら対する賛辞ではないよなあ・・・。
うー、後悔しきり。